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カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す - ESG Journal

カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)排出量や気候変動に伴う財務リスクの情報開示を義務付ける2つの新法について、詳細なFAQ(よくある質問)文書を公表した。2026年から始まる初回報告を前に、企業から寄せられていた多くの疑問に答えるもので、適用対象の具体的な判断基準や報告スケジュールが示された。

今回のFAQ発表は、規制の不透明感を払拭し、企業の準備を促すことが目的。多くの企業が固唾をのんで見守っていた「カリフォルニア州で事業を行う」企業の定義について、CARBは州の税法を基にした具体的な基準案を初めて提示した。

FAQで明確になった主なポイントは以下の通り。

  • 適用対象の具体化: 年間総収益(全世界)が基準額を超える企業のうち、①州内の売上高が約73.5万ドルを超える、②州内の固定資産が約7.35万ドルを超える、などのいずれかの条件を満たす場合、適用対象となる可能性が高いことが示された。これにより、本社が州外にある日本企業なども対象に含まれうることが、より明確になった。
  • 初回報告期限の再確認: 気候関連の財務リスク報告書は2026年1月1日までに、GHG排出量(スコープ1・2)の報告は2026年中に提出する必要があることが改めて強調された。
  • 初期段階での柔軟な運用: CARBは、企業が新たな報告体制を構築するには時間が必要であると認識しており、初回報告については、企業側が「誠実な努力(good faith efforts)」を行ったかを考慮する方針を示した。また、既存で収集済みの情報に基づく報告を認めるなど、段階的な導入への配慮も表明した。

CARBは、今回公表したFAQは法的な強制力を持つものではないとしながらも、企業が法令を遵守するための計画を立てる上で重要な指針となる、としている。

このFAQ発表は、対象となる可能性のある企業にとって、対応準備を本格化させる合図となる。CARBは年内の正式な規則策定を目指しており、今後もパブリックコメントの募集などを通じて利害関係者との対話を続ける方針だ。

(原文)California Corporate Greenhouse Gas Reporting and Climate-Related Financial Risk Disclosure Programs: Frequently Asked Questions Related to Regulatory Development and Initial Reports

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