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農水省、「食料の安定供給に関するリスク検証(2022)」を公表 - ESG Journal

農水省、「食料の安定供給に関するリスク検証(2022)」を公表

農水省、「食料の安定供給に関するリスク検証(2022)」を公表

6月21日、農林水産省は、将来にわたって我が国の食料安全保障を確立するために必要な施策の検討に資するよう、食料の安定供給に影響を及ぼす可能性のある様々な要因(リスク)を洗い出した包括的な検証の結果を発表した。

検証の背景として、日本の食料の生産や供給をめぐる国内外の状況は刻々と変化しており、特に近年、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵略といった新たなリスクの発生により、食料安全保障上の懸念は高まりつつあることが挙げられる。このため、農林水産省内に武部農林水産副大臣をチーム長とする「食料安全保障に関する省内検討チーム」を立ち上げ、将来にわたって我が国の食料安全保障を確立するために必要な施策の検討に資するよう、食料の安定供給に影響を及ぼす可能性のある様々な要因(リスク)を洗い出し、包括的な検証を行った。

検証は、リスク管理の国際規格「ISO31000」に準拠しつつ、以下のとおり実施した。
(1)リスクの特定
日本の農林水産物・食品の安定供給に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、国内におけるリスク10種、海外におけるリスク15種の計25種のリスクを対象として選定した。

(2)対象品目の選定
食料・農業・農村基本計画において生産努力目標を設定している24品目※1を基本とした上で、食料産業4業種及び林業(木材)等を合わせた32品目を対象として選定した(カロリーベースで98%をカバー)。

(3)リスク分析
検証対象の25種のリスクについて、それぞれの概況を定量的、定性的に分析・整理した「リスクシート」を作成した上で、対象32品目について、各リスクの「起こりやすさ」と「影響度」を分析した。

(4)リスク評価
リスク分析の結果を基に、品目毎に、起こりやすさを5段階、影響度を3段階で評価し、「重要なリスク」と「注意すべきリスク」を特定した。

検証結果は以下の通りである。
・我が国の食料供給は、国産と、輸入上位4ヶ国(米国・カナダ・豪州・ブラジル)で供給カロリーの85%を占めている。

・輸入については、価格高騰のリスクは、輸入割合の高い主要な品目のうち、飼料穀物等では顕在化しつつあり、「重要なリスク」と評価した。また、小麦、大豆、なたねでは、価格高騰の起こりやすさは中程度だが、その影響度が大きく、「重要なリスク」と評価した。

・国内生産については、労働力・後継者不足のリスクが、特に労働集約的な品目(果実、野菜、畜産物等)を中心に高まっており、「重要なリスク」と評価した。また、関係人材・施設の減少リスクは多くの品目で顕在化しつつあり、「注意すべきリスク」と評価した。
輸入依存度の高い生産資材のうち、燃油の価格高騰等のリスクについては、価格高騰の起こりやすさが高まっており、燃油費の割合が高い品目(野菜、水産物等)では「重要なリスク」と評価した。肥料の価格高騰等のリスクについては、肥料は農産物の生産に必須でその影響度は大きく、ほとんどの品目で「重要なリスク」と評価した。

・温暖化や高温化のリスクは、ほとんどの品目で顕在化しつつあり、「注意すべきリスク」等と評価した。家畜伝染病のリスクについては、水際対策の強化を図っているものの、口蹄疫やアフリカ豚熱が近隣諸国で継続的に発生しており、その起こりやすさが高まっていることに加え、発生した場合の影響度が大きいため、「重要なリスク」と評価した。

今後は、今回のリスク検証の結果を踏まえ、現行の食料・農業・農村基本法に基づく食料安全保障に関連する施策全般について、更なる検証を行い、必要となる施策等を検討していくという。

【参照ページ】
「食料の安定供給に関するリスク検証(2022)」の公表について

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