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ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表 - ESG Journal

ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アースデイに合わせて開催された定例記者会見において、トランプ政権による気候政策の後退に警鐘を鳴らすとともに、ニューヨーク市の温室効果ガス排出削減に向けた新たな対応策を発表した。気候活動団体であるNew York Communities for Change、350 NYC、Fridays for Futureと連携し、連邦レベルの後退に抗する形での取り組みを強調した。

同氏は、トランプ政権がFEMAのBRIC(災害回復力強化プログラム)を含む複数の気候関連資金を打ち切ったこと、50万世帯にクリーンエネルギーを供給する予定だった洋上風力発電計画の中止、低所得者向けエネルギー支援(LIHEAP)担当職員の一斉解雇、Climate Superfund Actの違憲化宣言、さらには重要な気候データの削除など、ニューヨーク市に直接的な影響を及ぼす措置の数々を列挙した。

これに対し、同氏は市の三大年金基金(NYCERS、TRS、BERS)を管理する資産運用マネージャーに対し、ネットゼロ計画の強化を要求。2025年6月30日までに計画を提出することを義務づけており、基準に満たない内容や提出がない場合は、委託先の再公募を勧告すると表明した。

新たに発表された評価基準では、実体経済での脱炭素化を促進する企業への関与、気候リスクを考慮した投資判断、株主としての行動強化を重視。対象企業にはスコープ1・2・3の排出量測定と報告、段階的な削減目標、移行計画、投資とロビー活動の整合性、労働者と地域社会への影響評価などが求められる。

また、市の年金基金がすでに温室効果ガス排出量を37%削減し、気候対応型投資の中間目標を1年前倒しで達成したことも報告された。

さらに同氏は、テスラとそのCEOイーロン・マスク氏に対する証券訴訟の必要性にも言及。電気自動車の将来性を認めつつも、彼がトランプ政権との関係を優先して経営に集中していないと指摘し、市政が対応を遅らせていると批判した。

ニューヨーク市は約3,000億ドルの年金資産を有しており、その投資判断が市場に大きな影響を及ぼすとされる。今回の対応は、化石燃料からの投資撤退に続く、脱炭素化に向けた重要なステップである。

(原文)As Trump Assaults Climate Progress on Earth Day, Comptroller Lander Pushes Forward Toward Net Zero
(日本語参考訳)トランプ大統領がアースデーに気候変動の進展を批判する中、ランダー会計監査官はネットゼロに向けて前進を推し進める

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