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EUの銀行規制当局、ESGリスクの資本要件フレームワークへの統合加速を提言 - ESG Journal

EUの銀行規制当局、ESGリスクの資本要件フレームワークへの統合加速を提言

10月12日、EUの銀行監督機関である欧州銀行監督機構(EBA)は、銀行および投資会社に対するプルデンシャル監督の枠組みにおける環境・社会リスクの役割を評価する新たな報告書を発表した。

EBAによると、環境・社会的リスクは時間の経過とともに顕著になり、信用リスクや市場リスク、オペレーショナル・リスクといった金融カテゴリーにまたがる銀行セクターのリスク・プロファイルを変化させ、個々の金融機関だけでなく金融システム全体の安定性に影響を及ぼす可能性があるとしている。

本報告書には、EBAが今後3年間で実施するよう推奨する一連の短期的措置が盛り込まれており、これには、ストレステスト・プログラムの一環として環境リスクを組み入れること、信用格付け機関による外部信用評価の一環として環境・社会的要因を含めるよう奨励すること、デューデリジェンス要件や動産担保の評価の一環として環境・社会的要因を含めることなどが含まれる。短期的な提言としては、金融機関に対し、環境・社会的要因がオペレーショナル・リスクの損失の引き金になるかどうかを特定すること、監督報告の一環として環境関連の集中リスク評価指標を開発することを求めることなどがある。

長期的には、EBAの報告書は、環境・社会リスクの重要性の高まりを踏まえ、プルデンシャル・フレームワークの将来を見据えた要素を強化するためのシナリオ分析の活用の可能性、第1柱フレームワークのリスクベースのさらなる強化の開発における移行計画の役割、環境リスクをより適切に反映するための内部格付に基づく(IRB)監督方式と信用リスクの標準的手法の見直しの妥当性の再評価、第1柱フレームワークにおける環境関連の集中リスクメトリクスの導入など、第1柱フレームワークの見直しの可能性を示している。

本報告書はまた、EBAが現在のところ、環境的に持続可能なエクスポージャーに対するプルデンシャルな自己資本規制を軽減する「グリーン・サポーティング・ファクター」や、環境的に有害な資産に対する自己資本規制を逆に増加させる「ブラウン・ペナルティー・ファクター」の導入を支持していないことを示した。

【参照ページ】
(原文)The EBA recommends enhancements to the Pillar 1 framework to capture environmental and social risks
(日本語参考訳)EUの銀行規制当局、ESGリスクの資本要件フレームワークへの統合加速を提言

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