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FSB、TCFDの年次報告発表 - ESG Journal

FSB、TCFDの年次報告発表

7月13日、金融安定理事会(FSB)は、気候関連金融リスクに対処するためのFSBロードマップに関する年次進捗報告書を公表した。本報告書は、FSB、基準設定主体、その他の国際機関による、ロードマップを通じて調整された行動に関する進捗状況を把握し、さらに注意を払うべき分野を概説し、ロードマップの詳細な行動に関する最新情報を提供するものである。 本報告書は、7月17-18日にインドのガンジナガルで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提出される。

ロードマップの4つのブロックすべてにおいて着実な進展が見られた。

企業レベルの情報開示:国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が、一般的なサステナビリティ関連開示に関するIFRS S1と気候変動関連開示に関するIFRS S2の最終基準を公表したことは、大きな成果である。この最終基準は、サステナビリティ開示のグローバルなフレームワークとして機能するものであり、実施されれば、世界中のさまざまな企業が共通の基準に基づいて開示を行うことができるようになる。現在、重要な優先課題は、証券監督者国際機構(IOSCO)が、各法域の状況を反映し、当局が堅固かつタイムリーな方法で基準を採択、適用、その他の方法で活用するための承認について、迅速に検討することである。FSBは、ISSBに対し、気候関連財務開示タスクフォースから、企業による気候 関連開示の採用のモニタリングを引き継ぐ よう要請した。次のステップとしては、企業の二重報告を回避するための相互運用性の促進や、開示の信頼性を高めるための持続可能性関連企業報告のためのグローバルな保証フレームワークの開発などがある。

データ:気候変動データの利用可能性、質、 国境を越えた比較可能性の向上に焦点を当てた 取り組みが続けられている。重要な目標は、データへのオープンアクセスを提供し、セクタ ーや管轄区域を越えて一貫性と信頼性をもって気 候関連リスクを反映する指標の利用を促進するグローバルなリポジトリを開発することである。また、将来を見据えた方法で気候関連リスクを測定する測定基準を開発するためのさらなる作業も必要である。

脆弱性分析: 気候関連の脆弱性を監視するための概念フレームワークと測定基準の開発に進展が見られる。金融の脆弱性のモニタリングに気候シナリオを組み込み、金融の安定に関する知見を得るために、気候ショックのクロスボーダー及びクロスセクターの伝播に関する理解を深めるための更なる作業が必要である。

規制・監督慣行とツール:気候変動リスクをリスク管理やプルデンシャルの枠組みに組み込むためのイニシアティブが進行中であり、キャパシティ・ビルディングが引き続き重要な焦点となっている。金融機関や非金融企業の移行計画が、秩序ある移行を可能にするだけでなく、金融当局がミクロ及びマクロプルーデンス・リスクを評価するための情報源として果たす役割への関心が高まっている。FSBは作業部会を設置し、最初の課題として、金融安定にとっての移行計画と金融機関・非金融企業による計画の関連性についての概念的理解を深める。多くのイニシアティブが開始または検討されている中、FSB、金融安定理事会、その他の関連機関の間で緊密な協調を確保することが重要となる。

ロードマップの全てのブロックにおいて、金融機関による気候変動に関連する金融リスクへの対応の進展は、企業レベルの情報開示、データギャップへの対応、移行計画の分野を含め、非金融企業セクターが同様の進展を遂げることに依存している。

【参照ページ】
(原文)FSB outlines next steps on climate roadmap, following the finalisation of the global sustainability disclosure standards
(日本語訳)FSB、グローバルな持続可能性開示基準の最終決定を受けて、気候変動ロードマップの次のステップの概要を発表

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