Warning: Undefined array key "WP_Widget_Recent_Comments" in /home/xs872497/kinomoto-firm.com/public_html/ctest/wp-content/themes/opinion_tcd018/functions.php on line 414
EUのサステナビリティ報告書規制緩和案、投資家と銀行が反発 - ESG Journal

EUのサステナビリティ報告書規制緩和案、投資家と銀行が反発

7月7日、Eurosif、PRI、IIGCC、EFAMA、UNEP FIを含む投資およびサステナブル投資団体の連合は、90以上の資産運用会社とともに、欧州委員会に対し、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の最近の変更案を再考するよう求める共同声明を発表した。本変更案は、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)のいくつかの側面を緩和するものである。

声明によると、変更案は、投資家が投資判断に必要なサステナビリティ関連情報を入手する能力に影響を与えるだけでなく、EUの持続可能な金融情報開示規則(SFDR)に基づくものを含む、投資家自身の報告要件を満たす能力を低下させる。

CSRDは2024年初頭から適用開始される予定で、現在のEUのサステナビリティ報告の枠組みである2014年非財務報告指令(NFRD)を大幅に更新することを目的としている。新規則では、サステナビリティの開示が求められる企業数が現在の約12,000社から50,000社以上に大幅に拡大され、環境、人権、社会基準、サステナビリティ関連のリスクに対する企業の影響について、より詳細な報告要件が導入される。

欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、2020年6月に欧州委員会から新たなEUサステナビリティ報告基準の準備を委任され、2022年11月にEFRAGはESRSの最終草案を提出した。

EFRAGの提出後、EU委員会は規制当局や加盟国の持続可能な金融グループと協議を行ったが、同委員会によると、一部の報告要件の「困難な性質」について懸念が示されたという。2023年6月、EU委員会はESRSの一連の変更案を発表し、いくつかの報告要件を緩和した。主な変更点のひとつは、一連の一般開示を除くすべての開示要求事項を重要性評価の対象とする提案で、これにより企業は、自社の事業にとって重要であると考えるサステナビリティ要因に絞って報告できるようになる。

しかし、投資家声明の主な懸念事項のひとつは、本提案では、特定のトピックが重要であると判断された理由や、重要でないと判断された理由について、企業による自主的な開示も認められていることである。

最終的には、何が報告すべき重要事項で、何が重要事項でないかを決定するのは、コンサルタントやアドバイザーの支援を受けた企業次第である、と声明は述べている。

具体的には、スコープ1、2、3の排出量や移行計画を含む主要な気候変動開示の維持、SFDR報告など投資家の規制要件に関連する項目の報告義務化、サステナビリティトピックが重要でないと判断された理由の説明義務化、非従業員の自社従業員や生物多様性移行計画に関する開示の任意性の再検討などが挙げられている。また、投資家はEUに対し、ISSBおよびGRI基準との相互運用性を可能な限り確保するよう求めている。

【参照ページ】
(原文)Investors and financial industry call for ambitious EU Sustainability Reporting Standards (ESRS)
(日本語訳)EUのサステナビリティ報告書規制緩和案に投資家と銀行が反発

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を

    2025-7-29

    SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を(再掲)

    ※2024年12月21日公開済みの記事(2024年11月時点の情報を基に作成された)に2025年7…
  2. 2025-7-29

    企業の88%がサステナビリティを価値創出と認識、気候リスクへの備えも加速

    モルガン・スタンレーの「Sustainable Signals: Corporates 2025」…
  3. GHGプロトコルの改訂とは~カーボンニュートラル実現への新たな方向性

    2025-7-28

    GHGプロトコルの改訂とは?カーボンニュートラル実現への新たな方向性(再掲)

    ※本記事は、2025年2月に発行した記事に最新のGHGプロコトル更新内容を一部修正・追記し再掲載し…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る