Warning: Undefined array key "WP_Widget_Recent_Comments" in /home/xs872497/kinomoto-firm.com/public_html/ctest/wp-content/themes/opinion_tcd018/functions.php on line 414
ECB、約54兆円の社債ポートフォリオの脱炭素化進捗を開示 - ESG Journal

ECB、約54兆円の社債ポートフォリオの脱炭素化進捗を開示

ECB、約54兆円の社債ポートフォリオの脱炭素化進捗を開示

3月23日、欧州中央銀行(ECB)は、ユーロシステムが保有する3,850億ユーロ(約54兆円)の社債の脱炭素化に向けた進捗を示す、企業部門および非金融政策ポートフォリオに関する初の気候関連の金融情報開示を公表したことを発表した。

気候関連の透明性の向上を開始する動きは、ECBが2021年に開始した気候行動計画の重要な部分を形成しており、中央銀行が金融政策の枠組みに気候変動への配慮をさらに取り入れる取り組みや、気候関連リスクをより適切に取り込むためのリスク評価ツールや能力の強化、気候リスクの外部評価の向上などが含まれている。

ECBの新しい報告書は、ユーロシステムの企業証券保有と、自己資金ポートフォリオや職員年金基金などの中央銀行の非金融政策ポートフォリオを対象としており、ポートフォリオのカーボンフットプリントや気候リスクへのエクスポージャー、気候関連のガバナンス、戦略、リスク管理などの情報を提供している。

それによると、ユーロシステムのポートフォリオの炭素強度はここ数年で大幅に低下しており、収益百万ユーロあたりのCO2トンは2018年から2022年の間に30%減少して262tCO₂e となった。ポートフォリオのスコープ1および2の総排出量は過去数年間で増加しているが、その増加はポートフォリオ資産の増加によるものであり、2018年以降のポートフォリオ規模は123%増加し、排出量の増加62%を大きく上回った。

ECBは、ポートフォリオの炭素強度が低下したのは、発行体の脱炭素化努力などの要因によるものであるとしている。

脱炭素化の道筋に貢献し始めた追加的な要因として、ECBは社債ポートフォリオを長期的に気候変動に強い発行体に傾斜させる取り組みを行っている。ECBは2022年7月、金融政策の枠組みに気候変動への配慮を取り入れ始めると発表し、保有する社債のポートフォリオを長期的に脱炭素化し、担保に気候関連の開示要件を導入するなどの措置を講じた。

ティルティング・イニシアティブが開始されてまだ間もないものの、ECBの新しい報告書はこの取り組みに大きな進展があったことを示しており、2022年第4四半期の買い入れの加重平均炭素強度がそれまでの3四半期と比較して65%以上低下したことを明らかにしている。

今後、ECBは、ポートフォリオに関する気候関連の最新情報を毎年提供することに加え、開示の範囲を拡大し、追加のポートフォリオを対象とすることを目指すと述べている。また、中央銀行は、運営審議会において、企業部門のポートフォリオについて脱炭素化目標の設定を検討することを明らかにした。

【参照ページ】
(原文)ECB starts disclosing climate impact of portfolios on road to Paris-alignment
(日本語参考訳)ECB、パリ協定に向けたポートフォリオの気候変動への影響について開示を開始

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を

    2025-7-29

    SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を(再掲)

    ※2024年12月21日公開済みの記事(2024年11月時点の情報を基に作成された)に2025年7…
  2. 2025-7-29

    企業の88%がサステナビリティを価値創出と認識、気候リスクへの備えも加速

    モルガン・スタンレーの「Sustainable Signals: Corporates 2025」…
  3. GHGプロトコルの改訂とは~カーボンニュートラル実現への新たな方向性

    2025-7-28

    GHGプロトコルの改訂とは?カーボンニュートラル実現への新たな方向性(再掲)

    ※本記事は、2025年2月に発行した記事に最新のGHGプロコトル更新内容を一部修正・追記し再掲載し…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る