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EU、ArcelorMittalの鉄鋼の脱炭素化イニシアティブに約698億円以上を承認 - ESG Journal

EU、ArcelorMittalの鉄鋼の脱炭素化イニシアティブに約698億円以上を承認

EU、ArcelorMittalの鉄鋼の脱炭素化イニシアティブに約698億円以上を承認

2月20日、欧州委員会は、鉄鋼および鉱業会社であるArcelorMittalがドイツとスペインで行う製鉄の脱炭素化を進めるためのプロジェクトに対し、5億2,000万ユーロ(約698億円)を超える国家支援を承認した。

今回の支援措置は、いずれも鉄鋼生産における化石燃料に代わる水素の利用を対象としており、スペインのヒホンにあるArcelorMittalの施設における脱炭素化プロジェクトに4億6000万ユーロ(約7,337億円)、ドイツのハンブルクにある新しい実証プラントに5500万ユーロ(約78億円)が含まれている。

世界のメーカーがサプライチェーンの脱炭素化を目指す中、化石燃料を使用しない鉄鋼の需要は大幅に増加すると予想される。鉄鋼は、世界的に最もCO2を排出するセクターの一つであり、同セクターからの温室効果ガスの総排出量は世界の化石燃料の使用による直接排出量の7~9%を占めており、削減がより困難なセクターの一つとなっている。生産工程の燃料にグリーン水素を使用することは、同セクターの脱炭素化を支援する重要な潜在的ソリューションのひとつと考えられている。

ArcelorMittalは、2050年までに全社的にネット・ゼロ・エミッションを達成することを公約に掲げている。同社は、水素や循環型炭素の利用、炭素の回収・貯留プロセスなど、低排出鉄鋼のための複数のアプローチを検討している。

同社は、これらのプロジェクトで得られた技術的ノウハウを他の欧州鉄鋼メーカーと共有することを約束している。

スペインでの国家支援は、再生可能な水素を使用した直接還元鉄プランの建設を支援し、新しい電気炉とともに、ヒホン工場の高炉を代替することになる。電気炉は、鉄スクラップを主原料とし、鉄鉱石の製錬や石炭の燃焼を必要としないため、従来の高炉製鉄技術に比べてエネルギー原単位が低く、炭素排出量も大幅に削減される製鉄技術である。

本工場では、廃棄物や冶金ガスから合成ガスを製造し、再生可能な水素を使用して操業するため、時間の経過とともに天然ガスの使用を段階的に減らしていく予定である。最終的には7,000万トン以上の二酸化炭素の排出を回避することが期待されている。

ドイツでは、5500万ユーロ(約78億円)の直接交付金という形で、再生可能な水素を100%使用する実証製造施設の建設と設置を支援する国家補助が行われる。本プロジェクトでは、70万トン以上の二酸化炭素の排出を回避できる見込みだが、主な目的は、ArcelorMittalのグリーン・スチール生産工程における温室効果ガス排出削減を目的とした技術を適用することである。

欧州委員会は、国家補助の承認発表の中で、これらのプロジェクトが、欧州における水素製造能力を急速に拡大する計画を含む「EU水素戦略」、2050年までに気候ニュートラル経済を実現するためのEU戦略「欧州グリーンディール」、ロシアの化石燃料への依存を解消するEU計画「REPowerEU」など、複数のEUイニシアティブを支援すると指摘している。

【参考ページ】
(原文)European Commission approves €460m of support for ArcelorMittal’s plans to decarbonise steel production with hydrogen
(日本語参考訳)欧州委員会、アルセロール・ミタルの水素による鉄鋼生産の脱炭素化計画に対し、4億6,000万ユーロの支援を決定

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