Warning: Undefined array key "WP_Widget_Recent_Comments" in /home/xs872497/kinomoto-firm.com/public_html/ctest/wp-content/themes/opinion_tcd018/functions.php on line 414
EIOPA、年金基金が気候変動リスクに大きくさらされていると公表 - ESG Journal

EIOPA、年金基金が気候変動リスクに大きくさらされていると公表

EU規制当局、年金基金が気候変動リスクに大きくさらされていると公表

12月13日、EUの保険・年金金融規制機関である欧州保険・職業年金機構(EIOPA)が発表したストレステストの結果によると、欧州の年金投資機関は気候変動リスクに対して「重大なエクスポージャー」を抱えていることが明らかになった。

4月に開始されたEIOPA初の気候変動ストレステストは、政策措置の遅れにより気候変動が突然起こり、無秩序に中立へ移行するというシナリオに対する欧州の職域年金基金(IORP)の耐性を評価するために行われたものである。

本シナリオでは、炭素価格の急上昇により、化石燃料価格が大幅に上昇し、エネルギーコストが上昇、経済全般の見通しに影響を与え、特に炭素集約的なセクターの株式市場が圧迫されることが想定されている。本シナリオで予想されるその他の影響としては、褐色産業の企業信用スプレッド上昇、利回り上昇による国債発行コストの上昇、不動産などの有形資産クラスの価値成長鈍化などが挙げられる。

IORPの資産ポートフォリオに焦点を当てたこの演習では、シナリオによって資産が13%近く減少し、主に株式と債券の投資で2550億ユーロ(約36兆円)の損失が発生することが分かった。IORPは平均して、株式投資の6%、社債投資の10%を、鉱業、電力・ガス、陸運などの炭素集約型セクターに投資しており、20%~38%の評価損が発生することが判明した。

全体として、資産評価の下落はリスクフリーレート上昇による負債側の下落によっていくらか相殺され、資金調達比率への影響は管理可能なものと思われるが、規制当局は、これによって下落を完全に相殺することはできなかったと述べている。

ストレステストと並行して行った調査では、環境ストレステストを自社のリスク管理に利用しているIORPはわずか14%であることがわかった。

【参照ページ】
(原文)EIOPA’s first IORPs climate stress test shows material exposure to transition risks
(日本語参考訳)EIOPAによる初のIORPs気候変動ストレステスト、移行リスクへの重大なエクスポージャーを示す

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を

    2025-7-29

    SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を(再掲)

    ※2024年12月21日公開済みの記事(2024年11月時点の情報を基に作成された)に2025年7…
  2. 2025-7-29

    企業の88%がサステナビリティを価値創出と認識、気候リスクへの備えも加速

    モルガン・スタンレーの「Sustainable Signals: Corporates 2025」…
  3. GHGプロトコルの改訂とは~カーボンニュートラル実現への新たな方向性

    2025-7-28

    GHGプロトコルの改訂とは?カーボンニュートラル実現への新たな方向性(再掲)

    ※本記事は、2025年2月に発行した記事に最新のGHGプロコトル更新内容を一部修正・追記し再掲載し…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る