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経団連、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け提言 - ESG Journal

経団連、「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け提言

4月26日、日本経済団体連合会は、2050 年カーボンニュートラル(CN)と、温室効果ガスの 2030 年度46%削減にむけた報告書「グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて」を発行した。経団連はこれらの目標を実現するため、国を挙げて、「経済と環境の好循環」を創出しながら、経済社会全体の変革である「グリーン・トランスフォーメーション(GX)」を推進する必要があると述べている。

経団連は(1)イノベーション、(2)トランジション(革新的な技術の社会実装に至る過程での円滑な移行)、(3)投資の促進、(4)産業競争力の強化 の4つの視点を掲げ、政府に対しグランドデザイン「GX政策パッケージ」の策定を求めている。以上の4つの視点を踏まえ、社会実装が必要な技術・投資額・政策に関するロードマップの明示、省庁横断的な司令塔「GX実現会議」の創設を要望したうえで8つのビジョンを掲げている。8つのビジョンは「エネルギー供給構造の転換」「原子力利用の積極的推進」「電化の推進」「グリーンディール」「産業構造変化への対応」「サステナブルファイナンス」「カーボンプライシング」「攻めの経済外交戦略」である。

地理的制約・エネルギー資源に乏しい等、日本の置かれた状況を十分踏まえると、原子力をはじめ、既存の技術の最大限活用が不可欠である。原子力発電では60年を超える運転期間の検討、安全性が向上した革新軽水炉に加え、SMRや水素製造に活用できる高温ガス炉等も念頭におき、政府として、新たなプラントの建設方針を示すことを求めている。

火力発電の脱炭素化については2030年度までにS+3E(安全性、エネルギー安全保障・安定供給、経済効率性、環境適合性)を大前提に、LNG等の低炭素燃料への転換を進めるとともに、非効率火力の廃止を進めつつ火力依存度を低減する。そして、2050年度を見据えて脱炭素火力の社会実装を図るべく、水素・アンモニアの混焼から専焼、CCUS(CO2回収・有効利用・貯留)にかかるイノベーションの創出が必要としている。

グリーンディールとサステナブルファイナンスにおいては、まず2兆円の「グリーンイノベーション基金」を大幅に上回る予算を政府に要請した。さらに、国内外のESG資金(約4,200兆円)を取り込むべきとし、政府は、国際ルールと整合する形で情報開示や評価に関する基盤整備を進め、市場機能を強化することが求められる。

今回の提言では、「GX政策パッケージ」を実行し「2050年カーボンニュートラル」が実現した際の経済の姿も展望した。2050年度の実質GDPは2019年度比で91.0%増加し、1,026.8兆円となると試算している。

【参照ページ】
グリーントランスフォーメーション(GX)に向けて

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