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GPIF、委託先運用会社の「重大ESG課題」を発表。生物多様性を重大課題と捉える機関が増加 - ESG Journal

GPIF、委託先運用会社の「重大ESG課題」を発表。生物多様性を重大課題と捉える機関が増加

 

3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は委託先運用会社の「重大ESG課題」認識の結果を発表した。

国内株式では今回、「コーポレートガバナンス」が新たにパッシブ運用機関全社から重大なESG課題として挙げられた。具体的には、取締役会のあり方や実効性確保、サクセッションプランや報酬体系、議決権行使結果の説明など、コーポレートガバナンス・コードでも記載されている項目が多く見られた。

また、本調査ではアクティブ運用機関全社が「情報開示」を選び、パッシブ、アクティブ問わず全ての運用機関が共通して重大な課題と考えている。情報開示では具体的に、統合報告書の作成や充実、GHG 排出量開示のほか、情報開示方針や投資家とのコミュニケーション、英語での情報開示など、開示内容だけでなく情報開示のあり方まで含めて、運用機関が重要視していることが明らかになった。

「情報開示」以外は、パッシブ運用機関とアクティブ運用機関で重大と考える課題が異なっており、アクティブ運用機関は、「取締役会構成・評価」「少数株主保護(政策保有等)」といった G(ガバナンス)の課題をより重大な ESG 課題と認識し、パッシブ運用機関は「気候変動」「ダイバーシティ」「サプライチェーン」「不祥事」と E(環境)や S(社会)を含め幅広く、長期的な課題を重大な ESG 課題と認識していることが確認できた。

外国株式運用機関全社が挙げた課題はパッシブ、アクティブともに前回から変化はなかった。パッシブ運用機関全社が重大な ESG 課題として認識している「気候変動」「ダイバーシティ」「サプライチェーン」「情報開示」は国内株式パッシブ機関の課題認識とも共通している。特に「サプライチェーン」は新型コロナ感染症の影響を契機として、内外パッシブ機関とも2年連続で、重大な課題として認識している。

国内債券運用機関は全社が2年連続で「情報開示」を重大な課題として挙げている。「情報開示」については、上記の通り、国内株式運用機関の全社が重大な課題として挙げており、資産を問わず、運用機関が日本企業にとって重大な課題と考えていることが分かる。

本調査で内外株式パッシブ運用機関に共通して見られたのは、「生物多様性」を重大な ESG 課題として捉えている機関の増加である。2021年6月に自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価、開示するための枠組みを構築するために、TNFDが発足したことも影響している。また、国内株式運用機関においては、パッシブ、アクティブとも「人権と地域社会」の比率が上がっており、「サプライチェーン」とともに、現代奴隷法への対応、EUの人権デューデリジェンスなどのサプライチェーン上での人権課題への対応等も具体的な項目として挙げられ、様々な課題が相互に絡み合っていることが窺える。

【参照ページ】
GPIF の運用機関が考える「重大な ESG 課題」

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